傷だらけの親父

久しぶりに、客がいないラーメン屋へと入ってしまった。
場末だったので、とりあえず、飯を食う場所を探すのが最優先だった。

暖簾から店のぞくと親父一人でカウンターに腰掛けてダルそうにTVを
鑑賞していた。。。あの調子だと、だいぶ客が来ていないのだろう。。。

その時点で味は期待しなかった。。。食べきれる味であったら問題ないと。。

出来るまで割りと時間がかかった。親父も一癖も二癖もありそうな顔で、
ガラガラの大きな声で顔には切られたような傷が何箇所かあった。。

接客は期待していなかったんだけど、期待に反して、ちょっと無理してるような
笑顔で対応してくれた。。。

最初から切りおきしてある、野菜をぶっきらぼうに入れて具を炒めた。
そのラーメンは化学調味料がタップリの味であった。。。

食べた後、もちろん胸焼け同僚はスープを半分ほど残していた。。。
だが店内には、何十年も前の古ぼけたポスターやら看板があり、
演歌が流してあった。。。

どこか東北の方でも旅して、いきなり飛び込んだようなそんな錯覚を抱かして
くれる不思議な雰囲気を持っていた。。。