お兄ちゃんと妹

とある一貫校の高校に通っていた俺は、退屈な授業を受けていた。。。
窓の外をぼ〜ッと眺めながら、空想に励んでいたときに、聞き覚えのある声で
我に返る。
「お兄ちゃんあぁ〜んッ!!」妹の桃の声だった。。。
なんだ突然;同じ学園の中学に通ってるはずじゃ。。。
今までそんなことが無かったので、恥ずかしくなり他人のフリをしようと
突っ伏したが、俺の名前を叫んで、「お兄ちゃんー!!お弁当忘れてるよ!
桃が作ったお弁当わすれてる!」」

ひそひそと教室には、付き合ってるのとか、色々と噂が流れ出す。。。
先生「コラッ!不順異性交遊は校則で禁止されてるはずだぞ!」

俺「ち、違いますよ;えーっと。。。いいやもう!妹の桃ですよ!」

友人A「お前、弁当作ってもらってるのかよ〜!羨ましいなw桃ちゃん彼氏いるの?」
俺「馬鹿言ってんじゃねえよ!」
友人B「もうすぐクリスマスじゃん!狙っちゃおっかなw」
俺「だめだだめだ!その話題はもう出すんじゃねえ!!」

桃は階段を駆け上がり、俺がいる教室に入ってきた。
桃「お兄ちゃん〜^^はいお弁当♪がんばってね!」
俺「あぁッ、悪いなわざわざ^^;桃ちゃんも頑張ってね!」

女子A「えッ!?ちゃんづけ?妹にチャンづけで呼んでるの?ヒロシくん^^;」
俺「えッ?なんかおかしい?家では普通にそう呼んでるけどwそれがなにか?」

女子B「まさかお風呂とか一緒に入ってないよね(笑」
俺「入っちゃ悪いの?寝る部屋も一緒だし、風呂も昔から一緒に入ってるけど
なにか?」

女子C「まじで!!それシスコンだよ^^;」
俺「シスコン?それ美味しいの?」

女子D「だめだこりゃ(爆」

そんなこんな黒板に相合傘まで落書きされて帰宅した。

父親は早く死に、母親は昼夜問わず働いているので、自然とそういうなりゆきになった。。。

冬休みに入り、クリスマスイブ。
俺がサンタ役をやるしかないので、校則を破ってバイトした貯金で、寒くなるので、マフラーと
チャリで通うだろうから、手袋を買って、桃の枕のそばへそっと置いた。。。
信じられない話かもしれないが、中2だけど、いまだにサンタクロースを信じている。

俺はそういう気持ちを大事にしてやりたいので黙っている。
でも、もしかしたら本物はいるのかもしれない。。。

朝、起きた桃は嬉しそうにはしゃいで俺にじゃれついてきた。。。
新品のマフラーと手袋をし、一緒に買い物に出かけることに、一緒にクリスマス会を
やるのに、母親が帰宅するまでに準備をする買出し。

雪国であるので、雪が降っている。俺は自分の手袋を忘れて、寒がっていると、
桃「あたためてあげる^^」と言いながら、俺の手を握って、息をかけてくれた。

昔のからの癖で、腕を組んでくる桃、食品の試食の人から「あらいいわね恋人は^^;」
と言われた。。。

俺たちはそんな感じで見られているのか?と思いつつも、買出しが終わり帰宅。
パソコンで焼いたクリスマスソングを流しながら準備に取り掛かった。
ケーキもローストチキンも手作りで。モミ木もノコギリで切ってきてお手製のツリーとした。

キャンドルは購入。今年、一年の思い出を語り合っていると、桃「いつもありがとう私のサンタさん^^」といいながら寄りかかってきた。
それを聞き、全部知っていたんだなと思い、毎朝弁当を作ってくれることなど、
改めて感謝した。。。

雪が積もって、停電したので、キャンドルを灯すと幻想的な聖夜となり、停電が回復するまで
一枚の毛布で暖めあうより他になかった。。。
そのうちこういうことが思い出として残っていくんだろうなと思いつつ、窓の外を見ると、
トナカイに乗ったサンタがメリークリスマスといいながら走り去る幻影が見えるのだった。。。
もしかしたらあれが本物だったのかもしれない。。。
こうやって感謝しあってることが、最高のクリスマスプレゼントなのかもしれない。。
saqqq