℃ーuteな舞ちゃん

そろそろ街の景色も変わりだし、風景のひとつひとつがクリスマスへの
カウントダウンを奏で出した。。

とは言っても恋人などいやしない俺は、ただその風景をながめているしかない。
ねるとんみたいな番組の企画のように、お見合いパーティーみたいなものに
参加したり、はたまた出会い系みたいなところに登録していけば、
もしかしたら、都合よくクリスマスだけ一緒に過ごせるような出会いもあるかも
しれないが、そこまでガツガツとした欲求が湧いてこなかった。

俺「おッ、マライアキャリーのいつもの曲だw山下達郎の曲も!」
こういう曲は、現時点ではすごくワクワクして楽しい。
だけど、クリスマス当日に街に飛び出してこれを耳にした時に、
飯を一人で食った後の帰り道、胸がキュンと締め付けられるような
気がしてならない。

「わっきゃないぜ〜♪よっしゃよっしゃよっしゃ〜♪」
隣の家の風呂場から歌声が聞こえる。
噂ではとあるグループに入っており、芸能活動をしてるとのこと。。。

歌の練習でもしているんだろうか?舞ちゃんという子で小学5年生。
たまに道で会ったときに挨拶をするくらいの関係。
しかし最近の子はお洒落なんもんだな。
たぶん同級生などであったら、惚れているんだろう。。

ある日、玄関のチャイムが突然鳴った!
それは偶然にくれた、サンタクロースからの早めのプレゼントであった。
セールスマンかと思い、穴から覗くと、舞ちゃんだった!
俺「こんにちわ^^どうしたのかな?」
舞「あ、あの。。。家の鍵を落としちゃって。。。TT」

俺「もしかして、家に入れないとか。。。?」
舞「はい。。。」

小さい女の子が泣きそうな感じで俺を頼ってるのかな?昨今の風潮から言って、
この光景を見られただけで、俺がいたずらして泣かしたんじゃないかと
思われそうだし。。。

とりあえず、舞ちゃんに自筆でコトの顛末を書かして、家のドアにはさまして置いた。
女の子を家に招くなんて信じられないな。

℃ーuteのポスターを貼っていたが、仕方がない;はがすわけにはいかないし。。
部屋へ入るなり、舞「それ、私です!ファンなんですか?」
俺「えッ!?本当だったの!噂かと思っていたら。。。」

舞「ほら、このホクロwサングラスをかけると〜」
俺「うわあぁぁッ!!ほ、本物だー!!」

ずっと会いたいと思っていたことが叶い、まして隣だとは。。。
サンタクロースのプレゼントにしてはちょっと豪華すぎるw

なんだか腹が減ってきたな。。。
俺「舞ちゃんお腹空かない?」
舞「うん!冷蔵庫開けてもいい?」
俺「別にいいけど^^」

寿司の出前でも取ろうかと思っていたら、舞「あたしが料理作ってあげるね♪」
俺「すごいね!ありがとうー!」
まさか夢にみた手料理まで、あの舞ちゃんが作ってくれるとは。。

そして出来上がった。ビーフストロガノフと旬の前菜3品に、ミックスジュース。
それはもう愛情もはいっているせいか、ビストロで食べるような極上のものであった。

俺「すっごい豪華!旨そう〜^^」
舞「料理大好きなんだ!美味し〜い^^アナタ♪はい、アーンしてw」

俺「なんか照れるな〜!新婚さんみたいだね」
舞「なに言ってるのw私達結婚したばかりじゃない!カリブ海クルーズ楽しかったわ」

「終点〜終点〜お忘れ物がないようにお願いします。」
車掌「お客さん!終点ですよ。」
酔い潰れた俺は終電で降りる駅をとうに過ぎていた。。。
恍惚の表情を浮かべ夢を見ていたんだろう。。。
12月の寒風が容赦なく吹きつけ、凍えながら、プラットホームで一夜を明かした。。。;